GB*屍卑


卑弥呼は動かない。

肩への衝撃を黙って受け入れた。

右肩が深紅の刃に貫かれる。

微笑む卑弥呼に

赤屍は、ほんの少しだけ瞳を揺らした。

「…なに、外してるのよ。Drジャッカルとあろうものが」

悲鳴の一つも零さず、苦痛の色も見せず。

それどころか安らいだ表情で卑弥呼は、自分の体を貫いている刃を握る。

「ほら、今度は外すんじゃないわよ殺人鬼」

赤屍が刃を引き抜く。

刃を包み込むように握っていた、卑弥呼の手からポタポタと赤黒い雫が落ちる。

振り下ろされた刃も、同じ雫は跳ねて

そして

卑弥呼の視界は白くぼやけて

もう目の前にいるはずの男の姿もわからない。

わかるのは、斬られた胸の痛み、熱さ。

熱く。

裂けた胸から溢れるのは――






『まるで貴方への愛のようだと思った。』