BLEACH*ギン乱

「まさか。隊長がやられたなんて」

瞬く間に瓦の屋根の上を走りぬける。とんっと屋根の端て跳躍すると、微かに足音が響いた。

――人はもっと幸せになるべきだ

隣の屋根に着地する。不気味な程、風が無い。まるで空気すらも、この反逆行為の結末を見守り沈黙しているようだ。

――幸せにならなければ、何故生きているのか。
一度死んだのに、何故生きているのか。
ざっ、と飛んで壁に移動する。

――わからなくなる。

乱菊はゆるくウェーブのかかった、色素の薄い髪を揺らしながら、その美しい翡翠の瞳を痛みに歪ませた。

――ギン。
なんであんたは、いつまでたっても幸せにならないの?

どうして私の傍から離れるの?


何故、人の、幸福を奪うの?



あんたが、これからまた人を傷つけるなら、私は止めるわ。
斬ぱく刀の柄を握って、存在を確かめる。

その為に、この身が滅んでもかまわない。



だってあんたは、私を拾った。
私の存在自体があんたの良心、そのものなんだから。

双極が見えた。
乱菊はギンの霊圧を捉えた。


『だって貴女は私の、私は貴方の――…』