BLACH*京七


身をよじった拍子に走った鈍痛にはっとして覚醒する。



起きあがると同時に昨夜の記憶が蘇って、思わず口元に手を当てた。

――そうか、とうとう

何も身に纏ってない自分の体と、隣で眠る上司の無防備な姿がそれを証明する。
信じられない気がする。だがそれ以上に嬉しかった。


夜が明け、朝を迎える時刻で、あたりは空気すら止まっているような静けさだ。

障子の隙間から、桃色と金色が混ざりあった空がのぞき、隣の想い人の顔に柔らかな光を落とす。

七緒は叫びたくなる。



あぁ

胸が

張り裂けてしまいそう。



「…うん。七緒ちゃん?」


寝ぼけ眼のまま京楽が起きあがる。

七緒はとっさにどんな顔をして良いかわからず、戸惑う。

京楽はにっこり笑う。


「…綺麗だね」


京楽が何を言ってるかわからず、えっと聞き返す。

京楽は微笑みながら答える。


「朝焼けの光って言うのは、褥を供にした後、もう一度男に女を惚れさせる効果があるんだよ。

今朝焼けに映える七緒ちゃんはとっても綺麗だ。本当にボク惚れ直しちゃった」


「なっ…!」


顔を真っ赤にした七緒をすかさず京楽が抱き込む。

何か言おうと口を開いた七緒は結局口を閉ざす。

惚れ直したのは貴方だけじゃない。

私だって、朝焼けに照らされる貴方の姿がとても愛おしかった。

とても口では言えない、それを広い背中に腕を回すことで伝える。

頭の上で京楽が嬉しそうに笑う。


七緒は自分の表情を見られないように、より深く彼の胸に顔を埋めた。